立ち上がった瞬間、
「クラッとした」
「目の前が暗くなった」
「ふわっとして、何かにつかまりたくなった」
そんな経験はありませんか?
少しすると元に戻るから、あまり気にしていない人も多いかもしれません。
でも、この「立ちくらみ」。
体の中では、立ち上がった瞬間の血圧の変化に対応するために、いろいろな調整が行われています。
今日は、どうして立ち上がるとクラッとするのか?
そして、立ちくらみが起きたときの対処法や、受診を考えたほうがいいサインについてお話しします。
■ 立ち上がったとき、体の中では何が起きている?
寝ている状態や座っている状態から立ち上がると、重力によって血液が一時的に脚やお腹のほうへ移動します。
すると、心臓に戻ってくる血液が一時的に減り、血圧が下がりやすくなります。
通常はここで体がすぐに反応します。
心拍数を調整したり、血管を収縮させたりして、脳へ送る血液を保とうとするのです。
ところが、この調整がうまく追いつかないと、一時的に脳への血流が減って、
・クラッとする
・ふらつく
・目の前が暗くなる
・気が遠くなるように感じる
といった症状が現れることがあります。
■ 「起立性低血圧」ということも
立ち上がったときに血圧が大きく下がる状態を「起立性低血圧」といいます。
医学的には一般に、立ち上がってから3分以内に、
・収縮期血圧(上の血圧)が20mmHg以上低下する
または
・拡張期血圧(下の血圧)が10mmHg以上低下する
場合が、起立性低血圧の目安とされています。
ただし、自分で血圧を測った数字だけで判断するのではなく、症状を繰り返す場合は医療機関で相談することが大切です。
■ こんなときは立ちくらみが起こりやすい
立ちくらみは、さまざまな原因で起こります。
たとえば、
・急に立ち上がったとき
・水分が不足しているとき
・たくさん汗をかいたあと
・食事が十分にとれていないとき
・長時間立っていたとき
・疲れているとき
・暑い場所に長くいたとき
などです。
また、貧血や出血、薬の影響、心臓や神経系の病気などが関係している場合もあります。
「立ちくらみ=全部同じ原因」というわけではありません。
■ 中高生にも多い「朝起きられない・立つとつらい」
思春期の子どもでは、立ち上がったときの血圧や心拍数の調整がうまくいかず、
「朝なかなか起きられない」
「立つと気分が悪くなる」
「頭痛がする」
「午前中は調子が悪い」
「動悸がする」
といった症状が現れることがあります。
その背景に**起立性調節障害(OD)**があることもあります。
単なる「朝が苦手」「怠けている」と決めつけず、症状が続いて学校生活などに影響している場合は、小児科などで相談してみましょう。
■ クラッとしたら、無理に歩かない
立ち上がったときにクラッとしたら、まず転倒しないことが大切です。
そのまま無理に歩こうとせず、
・その場でしゃがむ、または座る
・可能なら横になる
・壁や手すりなどにつかまる
・落ち着いてからゆっくり動く
ようにしましょう。
階段や駅のホーム、浴室などで起こると、転倒によるけがにつながることもあります。
「すぐ治るから大丈夫」と無理に動かないようにしてくださいね。
■ 予防のためにできること
立ちくらみを起こしやすい人は、日常生活でも少し意識してみましょう。
① 急に立ち上がらない
寝た状態からいきなり立つのではなく、
寝る→座る→少し待つ→ゆっくり立つ
というように、段階をつけて動いてみましょう。
② 水分をこまめにとる
水分不足になると血液量が減り、立ちくらみが起こりやすくなることがあります。
特に暑い日や運動後、たくさん汗をかいた日は意識して水分をとりましょう。
③ 食事を抜かない
食事を抜いてエネルギーや水分、栄養が不足すると、体調不良につながることがあります。
特に朝食を抜きがちな人は、無理のない範囲で食生活も見直してみましょう。
④ 疲れをためすぎない
睡眠不足や疲労が重なっているときに、体調の変化を感じる人もいます。
「最近よくクラッとするな」と思ったら、睡眠や食事、水分、疲れなども一緒に振り返ってみてください。
■ こんな立ちくらみは医療機関へ
ときどき軽くクラッとする程度ではなく、
・何度も繰り返す
・実際に意識を失った
・転倒するほど強い
・胸の痛みや強い動悸、息苦しさがある
・運動中に失神した
・出血がある、または貧血が疑われる
・日常生活や学校生活に支障が出ている
といった場合は、一度医療機関で相談しましょう。
特に胸痛や息苦しさを伴う、運動中に失神する、意識がなかなか戻らないといった場合は、早めの医療対応が必要です。
■ 「いつものこと」で終わらせないで
立ち上がったときの一瞬の「クラッ」。
よくある症状だからこそ、
「いつものことだから」
と、そのままにしてしまいがちです。
でも、体からの小さなサインかもしれません。
最近、水分はとれているかな?
食事はとれているかな?
疲れがたまっていないかな?
何度も繰り返していないかな?
そんなふうに、少し自分の体に目を向けてみてください。
「なんとなく気になる」も、体を知る大切なきっかけです。
陽だまり保健室では、子どもから大人まで、心と体についての身近な情報を発信しています。
「こんなこと聞いてもいいのかな?」
そんな小さな疑問や悩みも大丈夫。
ひとりで抱え込まず、気軽にお話ししてくださいね。


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