アスリートの「感覚」を考えるシリーズ。
これまで「見る」「聞く」と、プレー中に使っている感覚について紹介してきました。
今日は、ちょっと意識しにくい感覚。
「体で感じる力」について考えてみます。
目をつぶっても、自分の手の位置がわかる?
ちょっとやってみてください。
目を閉じて、片方の腕を上にあげてみます。
見えていなくても、
「腕が上にある」
「肘が曲がっている」
「手を握っている」
そんなことが、なんとなくわかりますよね。
私たちは目で確認しなくても、自分の体がどこにあって、どう動いているのかを感じることができます。
その感覚のひとつが**「固有感覚(固有受容感覚)」**です。
筋肉や腱、関節などから得られる情報によって、体の位置や動き、力の入り具合などを感じています。
スポーツでは、こんなときに使っています
たとえばバスケットボール。
ボールだけをずっと見ながらドリブルしていたら、味方や相手を見ることができません。
ボールを見ていなくても、
「これくらいの強さでボールをつく」
「手がこの位置にある」
と感じながら動いています。
サッカーでも、ボールだけを見続けずに足元でボールを扱います。
バレーボールなら、ジャンプした瞬間に自分の体の位置を感じながら腕を振ります。
野球でも、ボールを投げるときに腕や肩、体幹、脚の動きを細かく目で確認しているわけではありません。
自分の体を感じながら動く。
スポーツでは、この感覚を当たり前のように使っているんですね。
「バランスを感じる力」も大切
もうひとつ、スポーツと深く関わっているのが「前庭感覚」です。
前庭感覚は、内耳にある器官から得られる情報をもとに、頭の動きや傾き、体のバランスなどを感じる感覚です。
ジャンプして着地する。
急に方向を変える。
相手と接触しても体勢を立て直す。
回転したあとに次の動作へ移る。
こんな動きにも関係しています。
実際のプレーでは、固有感覚や前庭感覚だけではなく、視覚などさまざまな感覚から入ってくる情報を組み合わせながら姿勢や動きを調整しています。
「見る力」「聞く力」ともつながっている
ここまでシリーズを読んでくださった方は、少しつながってきたでしょうか。
味方や相手を見る。
声やボールの音を聞く。
自分の体の位置やバランスを感じる。
それぞれが別々に働いているのではありません。
たくさんの情報を受け取りながら、
感じる → 気づく → 判断する → 動く
という流れにつなげています。
ほんの一瞬のプレーの中で、私たちの脳と体はたくさんの情報を処理しているんですね。
自分の体に意識を向けてみよう
普段の練習でも、ときどき自分の体に意識を向けてみると、新しい気づきがあるかもしれません。
「今、足の裏のどこに体重がかかっている?」
「ジャンプしたとき、体はどんな位置にある?」
「左右で動きやすさは違う?」
「力が入りすぎていない?」
大切なのは、無理に特別なトレーニングをすることではありません。
まずは、自分の体が何を感じているのかに気づくこと。
いつも何気なくしている動きにも、たくさんの「感覚」が隠れています。
体の感覚も、プレーを支えている
スポーツというと、「見る」「聞く」といった五感を思い浮かべるかもしれません。
でも、私たちはそれだけで動いているわけではありません。
体の位置や動きを感じる固有感覚。
バランスや頭の動きを感じる前庭感覚。
そして視覚など、さまざまな感覚から得た情報を組み合わせて、次の動きをつくっています。
自分の体を感じることも、プレーのひとつ。
今日の練習では少しだけ、「今、自分の体はどう動いている?」と意識を向けてみませんか?
次回は、アスリートの**「香りを感じる」**について考えていきます。
「体で感じる力」を高めるには?
今回ご紹介した「固有感覚」と「前庭感覚」。
「じゃあ、この感覚はどうやって高めていけばいいの?」
そう思った方もいるかもしれません。
後日、
「アスリートの体で感じる力を高めるには?固有感覚・前庭感覚を使う7つのトレーニング」
として、実際に取り入れやすい方法を紹介する予定です。
片脚立ちやジャンプ・着地など、身近な動きから競技につながるトレーニングまでご紹介します。
「感じる → 気づく → 判断する → 動く」
その力をプレーにつなげるために。
ぜひ、次の記事も楽しみにしていてくださいね。


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