心を整理する「コラム法」という方法
「きっと嫌われた…」
「また失敗してしまった。」
「どうせ私なんて。」
そんなふうに、一つの出来事から悪い方向へ考えてしまい、気持ちが苦しくなった経験はありませんか?
実は私たちの気持ちは、出来事そのものではなく、その出来事をどう受け止めたかによって大きく変わります。
そんな時に役立つのが、認知行動療法で使われる「コラム法」です。
難しそうに聞こえるかもしれませんが、紙とペンがあれば今日から始められる、とてもシンプルな方法です。
コラム法とは?
コラム法とは、自分の考えや気持ちを書き出し、整理する方法です。
私たちは、落ち込んだ時や不安な時ほど、頭の中だけで何度も同じことを考えてしまいます。
すると、不安がどんどん大きくなり、本当は一つの出来事だったはずが、まるで大きな問題のように感じられてしまうことがあります。
そんな時は、一度紙に書き出してみましょう。
頭の中だけでは見えなかったことが、少しずつ見えてくることがあります。
例えばこんな場面
学生なら…
テストで思ったより点数が取れなかった。
「私は勉強ができない。」
そう思って落ち込んでしまう。
でも、本当にそうでしょうか?
・今回は苦手な範囲だった
・体調が万全ではなかった
・勉強方法が合っていなかった
そんな理由も考えられるかもしれません。
社会人なら…
職場で「おはようございます」と挨拶をしたのに、相手が返事をしてくれませんでした。
「嫌われているのかもしれない。」
そう思ってしまうことがあります。
でも、
・聞こえなかっただけ
・急いでいた
・考え事をしていた
・体調が悪かった
そんな可能性もあります。
私たちは、つい一つの考えだけで結論を出してしまうことがあります。
コラム法のやり方
紙を用意して、次の5つを書いてみましょう。
① 出来事
何があった?
例)
「挨拶をしたけれど返事がなかった。」
② 気持ち
その時どんな気持ちだった?
・悲しい
・不安
・イライラ
・恥ずかしい
③ 浮かんだ考え
頭に最初に浮かんだことは?
「嫌われている。」
「私はダメだ。」
④ 他の見方はある?
別の可能性を考えてみます。
・忙しかっただけかも
・聞こえなかったのかも
・今日は元気がなかったのかも
ここでは、「正解」を探すのではなく、「他にも考え方はあるかな?」と視野を広げることがポイントです。
⑤ バランスのよい考え
最後に、少しだけ現実的な考え方を探します。
例えば…
「本当に嫌われているとは限らない。」
「次に会った時にまた話しかけてみよう。」
この一言だけでも、気持ちが少し軽くなることがあります。
大切なのは「前向きになること」ではありません
コラム法は、
「気にしない!」
「大丈夫!」
と無理に自分に言い聞かせる方法ではありません。
悲しい時は、悲しくていい。
落ち込む日があってもいい。
でも、
一つの考えだけが全てではない。
そう気付けるだけで、心は少し楽になることがあります。
養護教諭として感じてきたこと
保健室にも、
「友達に嫌われたかもしれない」
「先生に怒られたから私はダメなんだ」
そんな思いを抱えて来る子どもたちがたくさんいました。
でも、話を聞いていくと、
思っていたこととは違う理由が見つかることも少なくありません。
これは子どもだけではなく、大人も同じです。
仕事や家庭、人間関係の中で、知らず知らずのうちに自分を責めてしまうことがあります。
だからこそ、自分の考えを一度立ち止まって見つめる時間は、とても大切だと感じています。
今日からできること
モヤモヤした出来事があったら、
まずは紙に書いてみてください。
- 何があった?
- どんな気持ち?
- 何を考えた?
- 他の見方はある?
- 今の自分にかけてあげたい言葉は?
全部書けなくても大丈夫。
一つ書くだけでも、心は少し整理されます。
まとめ
私たちは誰でも、考え方のクセを持っています。
そのクセに気付くことは、自分を変えることではなく、自分を理解すること。
心が疲れている時ほど、頭の中だけで考え続けず、紙に書き出してみませんか?
コラム法は、自分を責めるためではなく、自分に少し優しくなるための方法です。
今日のあなたの心が、少しでも軽くなりますように。🌿


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