「伝えたい」のに伝わらない…そんな時に知ってほしいアサーションという考え方
「そんな言い方しなくてもいいのに…」
家族や職場で、そんなふうに言われたことはありませんか?
言い終わった後に、「もっと違う言い方ができたかな」と後悔したり、自己嫌悪になったりすることもあるかもしれません。
実は、真面目で責任感が強い人ほど、気持ちが強くなりすぎて言葉がきつくなってしまうことがあります。
それは決して「性格が悪い」からではありません。
今日は、人間関係を少し楽にしてくれるアサーションという考え方をご紹介します。
真剣だからこそ、言葉が強くなることがあります
例えば…
- 子どもに同じことを何度も注意してしまう
- パートナーにイライラして強い口調になる
- 職場で後輩のためを思って厳しく言ってしまう
どれも、「相手を傷つけたい」わけではありません。
「失敗してほしくない」
「良くなってほしい」
「大切だから伝えたい」
そんな気持ちがあるからこそ、言葉に力が入りすぎてしまうのです。
しかし、相手にはその思いよりも「怒られた」「責められた」という印象だけが残ってしまうことがあります。
伝え方には3つのタイプがあります
① 攻撃的な伝え方(アグレッシブ)
自分の気持ちを優先し、相手を責めるような伝え方です。
例えば、
- 「なんでできないの?」
- 「普通こうするでしょ!」
- 「何回言わせるの?」
相手は萎縮したり、反発したりしやすくなります。
② 我慢する伝え方(ノンアサーティブ)
自分の気持ちを抑え込み、相手を優先する伝え方です。
- 「私が我慢すればいい」
- 「言っても仕方ない」
- 「嫌だけど断れない」
一見穏やかに見えますが、我慢が積み重なることで、ある日突然感情があふれてしまうこともあります。
③ お互いを大切にする伝え方(アサーティブ)
自分の気持ちも相手の気持ちも大切にしながら伝える方法です。
例えば、
❌「ちゃんとして!」
ではなく、
⭕「私は○○してもらえると助かるよ。」
❌「なんで遅れたの?」
ではなく、
⭕「約束の時間を過ぎて心配していたよ。」
責めるのではなく、自分の気持ちを伝えることがポイントです。
アサーションとは?
アサーションとは、
「自分も相手も大切にしながら、自分の気持ちや考えを率直に伝えるコミュニケーション方法」
のことです。
「言いたいことを我慢する」ことでも、「思ったことを何でも言う」ことでもありません。
自分も相手も尊重しながら、誠実に伝える方法です。
この伝え方を練習することをアサーショントレーニングと呼びます。
特別な資格や知識は必要なく、日常生活の中で少しずつ身につけることができます。
今日からできる3つのコツ
① 「あなた」ではなく「私は」で話す
×「あなたは全然やってくれない。」
〇「私は一緒に手伝ってもらえると助かるな。」
「私は」を主語にすると、相手は責められていると感じにくくなります。
② 事実と気持ちを分けて話す
×「いつも遅い!」
〇「今日は約束より20分遅かったね。少し心配していたよ。」
「いつも」「絶対」といった言葉は、相手が反発しやすくなります。
まずは事実を伝え、その後に自分の気持ちを添えてみましょう。
③ お願いの形で伝える
×「ちゃんとして!」
〇「次からは○○してもらえると嬉しいな。」
命令ではなくお願いに変えるだけでも、相手は受け入れやすくなります。
完璧にできなくても大丈夫
人は疲れている時や余裕がない時ほど、言葉が強くなりやすいものです。
だからこそ、「またきつく言ってしまった…」と自分を責める必要はありません。
大切なのは、少しずつ伝え方を意識してみること。
一度で変わらなくても、小さな積み重ねが人間関係を少しずつ変えていきます。
まとめ
真剣だからこそ、言葉が強くなってしまうことがあります。
でも、本当に伝えたいのは「責めること」ではなく、「分かってほしい」「協力してほしい」という気持ちではないでしょうか。
アサーションは、自分だけを我慢させる方法でも、相手を思い通りに動かすための技術でもありません。
自分も相手も大切にするためのコミュニケーションです。
もし最近、「伝えたいのに伝わらない」と感じることがあったら、今日からほんの少しだけ伝え方を意識してみてください。
その小さな変化が、家族や職場、そして自分自身との関係を優しく変えてくれるかもしれません。
🌿 陽だまり保健室より
相手を大切にすることと同じくらい、自分の気持ちを大切にすることも忘れないでください。
「責める」でも「我慢する」でもなく、「伝える」。
そんな優しいコミュニケーションが、毎日の暮らしの中に少しずつ増えていきますように。


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